中小経営サポートに力 (2023年10月18日 中日新聞 朝刊)

2023年10月18日

ゼロゼロ融資返済で信用保証協会

東海地方の信用保証協会が中小・小規模事業者の経営支援に力を入れている。
新型コロナウイルス禍で広まった実質無利子・無担保融資 (ゼロゼロ融資)の返済猶予期間が順序終わり、今年から返済が本格化。経営が行き詰まる事態を減らそうと、事業者をサポートする部署を 新設したり、専門家を紹介したりして、経営改善を手助けしている。(妹尾聡太)

創業123年という愛知県瀬戸市の米穀店「米祐商店」は今年、もちを使ったひと口サイズのスイーツを考案した。 店舗やインターネット上で販売すると想像を超える売れ行き。5代目の加藤元康社長(47)は「新分野に展開できた」 と手応えを感じている。 開発が軌道に乗ったのは昨年後半。コロナ禍を含めて長年の取引がある地元信用金庫から、愛知県信用保証協会(名古屋市) の経営支援を紹介された。 同協会と連携するフードコーディネーターの山田実加さんの指導のもと、加藤社長は数か月かけてバター、くるみ、黒糖 などを練りこんだ5種類の菓子を完成させた。風味ごとにもち米を選び、よく合う飲み物や食べ方も提案。 「食事の様子を思い描き、そこから商品を企画する手法を学べた」と笑顔を見せた。

同協会は2021年から専門家の支援を拡充。公認会計士や税理士のほかデジタル化などに詳しい識者も紹介する。
背景にあるのは、コロナ禍で疲弊して返済できなくなった事業者の借金を一時的に肩代わりする「代位弁済」の増加懸念だ。 同協会の23年度上半期(4~9月)の代位弁済額は前年同期比75%増の123億円となっている。
他にも東海3県の信用保証協会は特徴的な活動をしている。 「岐阜県」では昨年、ゼロゼロ融資を受けた事業者を訪ねてサポートする部署を新設。 訪問先は既に千数百社に上り、今後さらに増えるという。 「三重県」は県の中小企業支援ネットワーク事務局を担うなど行政と協力する手法で効果を生み、全国から注目されている。 「名古屋市」は支援窓口を広げて事業者が気軽に相談できる仕組みを構築。 「岐阜市」は税理士と連携した相談会などに力を入れる。
全国信用保証協会連合会(東京)の担当者は、「協会は金融機関や事業者との接点を幅広く持つため、経営支援のハブ(車輪の中心)になれる」 と話す。

融資後倒産 最多に 23年度上半期324件

ゼロゼロ融資を受けた企業の倒産が増えている。帝国データバンクの集計では2023年度上半期(4~9月)の全国の「ゼロぜロ(コロナ) 融資後倒産」は324件で前年同時期比58%増と大きく増え、半期ごとの集計で過去最多を更新した。
実際の融資額が判明した330社のゼロゼロ融資の借入額の平均は約5800万円「不良債権(焦げ付き)」に相当するゼロゼロ融資喪失総額は 推計で約596億1700万円に上った。
引用:2023年10月18日 中日新聞 朝刊
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